新たな西宮市 不動産の情報
水不足により工場が閉鎖に追い込まれ、健康被害により労働力が損なわれる。
汚染により毎年何十万人もの人間が死亡している。
それらの経済損失はすでに中国のGDPの八〜一二%にも達するという。
内陸部に限ると、経済損失は地域のGDPの一三%とさらに悪化する。
年によっては、一○%程度という中国の高い経済成長率を上回る水準である。
近年、GDPから環境破壊の損失を差し引くという考え方(この指標を「グリーンGDP」という)が注目されているが、この考え方によれば中国はすでにマイナス成長に陥っているともいえるのだ。
まさに本末転倒。
中国では全体的に見て、経済成長がもたらす利益以上に環境破壊により被る損失の方が大きい価格競争力の低下も懸念される。
中国製品が低コストで競争力が高いのは、中国企業が安全対策や環境対策に多くの金を使っていないのも大きな要因の一つだ。
今後、それらの対策費用が上乗せされれば低コストのメリットが薄れ、価格競争力の低下が中国の高成長を失速させる事態も考えられる。
状況が改善しなければ、この環境汚染や水不足をきっかけに中国経済は行き詰まり、大きく失速する可能性が高い。
そのときには、膨張しきった中国バブルも瞬く間に崩壊するだろう。
このように「チャイナ発世界大恐慌」のリスクは非常に高いといえるが、事態はさらに複雑かつ深刻なものになることも懸念される。
アメリカの没落という問題だ。
言うまでもなく、覇権大国アメリカは多くの面で世界最強の国である。
軍事力も強大だ。
他国にはない大規模な空母機動部隊も持っている。
いくら中国の軍事力が大きくなっているといっても、いまアメリカと戦争をしたら絶対に勝てないだろう。
いま、その覇権大国・アメリカが徐々に嘗ての力を失いつつある。
その最大の問題が「双子の赤字」だ。
経常収支と財政収支がともに赤字の状態である。
八○年代のレーガン政権下で発生したこの問題は、九○年代に入り、「二ユーエコノミー」と呼ばれる長い好況期を迎えると大きく改善する。
九二年をピークに財政赤字は縮小し、九八年にはついに財政収支の黒字化を達成した。
その一アメリカ経済の減速が世界を揺るがす方で、経常収支は悪化していったが、エコノミーという好況下では大きな問題にはならなかった。
ところが、好調を続けていたアメリカ経済に徐々に暗雲が立ち込める。
二○○○年にITバブルが弾け、二○○一年には二ューヨーク同時多発テロが発生する。
大型減税の実施とイラク戦争に伴う巨額の戦費発生などもあり、二○○二年には再び財政赤字に陥った。
双子の赤字に逆戻りである。
アメリカの財政赤字は二○○四年度には単年度で過去最大の約四三三億ドル(約四五兆三五三○億円)に達した。
GDP比で三・六%に相当する額だ。
その後は景気拡大に伴う税収増により、財政は改善傾向にある。
二○○八年度の財政赤字見通しは三九○億ドル(約二四兆○九○○億円、GDP比一・五%)まで減少している。
二○○四年度と比較して約四七%もの大幅減である。
全体としては、財政状況は決して良くはない。
財政収支が改善しているのにもかかわらず、全体の債務残高は大変なペースで増え続けているのだ。
国債の発行残高を中心とする米連邦政府債務には、法定上限が設けられている。
ところがここ数年は政府債務が法定上限をことごとく突破し、その度に議会に上限の引き上げを要請している。
政府債務が法定上限を超えると国債を発行できず、政府の支払いが遅滞する恐れがあるためだ。
二○○六年二月には政府債務は八兆一八四○億ドル(約九○○兆二四○○億円)の法定上限に達し、連邦議会は法定上限を八兆九六五○億ドル(約九八六兆一五○○億円)に引き上げた。
ところが、二○○七年一○月にはまたもや法定上限を突破している。
日本と同様、ほぼ一○○○兆円にのぼる借金を抱えるアメリカ政府。
多少の財政収支の改善では借金の残高は一向に減らない構図は日本とまったく同じである。
累積する債務の恐ろしさは八一ページの図を見ればよくわかる。
九三年に発行された「1995年合衆国破産」(クレスト社刊、H・フィギー著)という本に出ているものである。
債務には金利が伴う。
累積債務の増加は、最初は緩やかなペースであったとしても、ある時期から急激になっていく。
あるポイントから一気に立ち上がっていくこの曲線が、ホッケーのスティックにそつくりな、著者はこの図を「ホッケー・スティック曲線」と名付けた。
累積債務がひとたびホッケー・スティックの柄に沿って上り始めたら、もはやそこから逃れることはできない。
経常収支の状況はさらにひどい。
アメリカは第二次世界大戦以降、七○年代前半までは貿易黒字国であったが、七○年代後半以降は赤字が恒常化し、現在も膨張を続けている。
二○○六年の経常収支は約八五六七億ドル(約九四兆二三七○億円)の赤字となり、五年連続で過去最悪を更新した。
約八○四九億ドル(約八八兆五三九○億円)という前年の赤字額に比べ六・四%の増加である。
一般に経常赤字はGDP比で五%を超えると危険水域といわれるが、二○○六年の赤字幅は六・五%(二○○五年は六・四%)に達している。
また、アメリカは個人の負債も多い。
二○○六年末の家計の負債は過去最高の二二兆三○○○億ドル(約一四六三兆円)にのぼる。
もちろん、一方では資産も多い。
同年末の家計の資産は六八兆九○○○億ドル(約七五七九兆円)もある。
資産から負債を差し引いた純資産は、五五兆六○○○億ドル(約六二六兆円)と莫大である。
住宅価格が下落し融資基準が厳しくなれば、当然消費は失速する。
消費が冷え込めば景気の減速は避けられない。
なにしろアメリカの個人消費はGDPの七割を占めているのである。
現在、サブプライム問題により世界経済は大きく揺れている。
震源地であるアメリカでは住宅市場が冷え込み、アメリカ経済全体の減速も不可避の情勢である。
アメリカ経済の減速が世界経済全体へと波及するかどうかが現在の焦点である。
これまではアメリカ経済と世界経済の結びつきは非常に強く、世界経済はアメリカ経済次第という面が強かった。
いまやBRICSをはじめとする新興国の高成長により、世界経済とアメリカ経済との連動性は低くなっている。
このいわゆる「デカップリング実際、アメリカではすでに個人破産が急増している。
二○○五年の個人破産件数は過去最高の約二○四万件に達した。
前年比で三○%の増加である。
住宅バブルがいよいよ弾け始めており、個人破産件数はますます増加する公算が大いのである。
ところが、以前に比べ、アメリカ経済はむしろ他国経済との結びつきを強めている。
特に米中経済が互いに与える影響は非常に大きい。
日米の貿易摩擦が強まり「ジャパン・バッシング」がしきりに叫ばれていた時代には、アメリカにとって最大の貿易赤字国は日本であった。
いまやアメリカにとっての最大の貿易赤字国は中国である。
中国が生産した多くのモノをアメリカが輸入し消費する。
世界経済を牽引してきた。
中国にとって最大の〃お得意さん〃であるアメリカ経済が後退すればどうなるか?いま、アメリカの住宅市場はどんどん冷え込んでいる。
住宅バブルが本格的に弾ければ、いよいよ消費は落ち込む。
当然、中国の対米輸出は大きく減少するはずだ。
そうなれば中国の高成長にも黄信号が灯る。
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